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◆ナオミの充填物語 ビフォー・アフター◆ VOL.0107 2015年12月号  
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 今月のテーマは・・・・。

「 課長の苦悩 」

ここ2年ほど、日本では求人が急激に増え、
5年前の4倍にもなっているそうです。
中小企業にとっては、さらに採用が大変な時代に
なってしまいました。

ナオミでもナオミの風土に合う人を採用することが、
非常に難しく、時間も労力も相当使ってはいるものの、
苦戦しているのが現状です。
特に、即戦力の人を見つけられる事は、ほぼ皆無です。

どんどん忙しくなる中、即戦力の人を待ち続けている
訳にもいかなくなって、考えを切り替えることにしました。

経験値があまりなくても、人として正直で、素直である人を
採用することにしたのです。

入社して来た中途採用の人たちの多くが22歳~24歳の人です。
この人たちは、組織人としての在り方を知らなかった、
または教えてもらっていなかった人が多く、一からの
教育の必要に迫られました。

しかしながら、ナオミでは、そういう人たちを教育する
制度がまだありません。
なぜなら今までは、中途採用の即戦力の人たちが
牽引して来た会社なので、必要に迫られることがなかったからです。

各部署に若い人たちが入って来たことで、
各課の課長や先輩社員が、今、教育に右往左往しています。

ナオミでは、課長はマネージャーというよりも、プレイヤーです。
本来ならば、マネージャーの仕事をしてもらいたいのですが、
多忙で時間が無いことが問題で、なかなかマネージャーの
比率を上げることができないでいました。
それはナオミに限ってではなく、多くの中小企業が
抱えている問題でもあると思います。

今回のことで、課長が否が応でも教育しなければならない状態に
直面し、マネージャーの役割を考えなければならなくなった
ことは、良いキッカケになったのではないかと思います。

今現在、課長は仕事を教えることは問題なくできます。
しかし、人としてどうあるべきなのか、組織人としてどうあるべきなのかを
教えることは手間暇がかかるので、相当苦戦するところだろうと
思っています。

何のために仕事をするのか、どういう思いで働くのか、
などは、人生をどう生きるかということに繋がって来ます。
そこを教えることは、教える方も深い思考が必要になります。

私も、かつて自分自身が教えることの経験値が乏しい
ときに人を育てて来ました。
そのとき、人を育てることは非常に難しいなあと
痛感しました。

その時代に育てた、ある営業マンの話です。

彼を教えることで一番難しかったのは、
「ちっぽけなプライドを捨て、できない自分と
きちんと向き合い、ありのままの自分を認めること」
を伝えることでした。

その時の彼は、理想とする自分と現実の自分の
ギャップに苦しんでいました。
自分が思うほど仕事ができないことに
相当自己嫌悪に陥っていたのです。

早く理解してもらいたくて、何度も何度も
話をしました。
彼は、頭では分かっているけど、腹になかなか落ちなくて
辛そうな顔をしている日が、かなり長く続きました。

後から、その当時の話を彼から聞いたことがあります。
辛くて辞めようと思ったことがあったけれども、
結婚直前で、ナオミに転職したので
ここで逃げるわけには行かないと踏ん張った
そうです。

いつ終わるとも知れない辛い状態であったけれども
自分を奮い立たせて、必死でしたと。

ともかくやるしかないと腹を括ったときから
彼は、毎日誰よりも早く会社に来て、丁寧に掃除を
していました。
そして仕事を頼まれたら、嫌な顔ひとつすることなく、
全力で相手の為に行っていました。

それを続けているうちに、周りが彼を認め出したのです。
みんなから孤立していたときもありましたが、彼は本当によく
頑張り抜き、長い時間を費やしてみんなの信頼を勝ち得たのでした。

周りの人のためだけに一生懸命に働いた結果、彼は大きく
成長をしていました。
本当によく頑張ってくれたと思います。

ただ、そのときの私に人を育てる経験値がもっとあれば彼は
そこまで苦しまずに済んだのではないかと思うときがあります。
正直、私自身も今の課長のようにかなり試行錯誤していました。
だから、その当時の彼のことを想うと今でも私は胸が痛くなります。

人を育てることは、苦しみを伴います。
うまくいかないことが多いので悩みます。
最初から上手に育てることはできないので、
失敗もしてしまいます。

でもそのことが、結局育てる側を成長させることに
なるんだなあと思います。

その後、私は人を育てる経験値を積み、伝えることの引き出しも
増えました。
その間、時間を相当費やしましたが・・・。

人を育てることのできる人間が会社に増えなければ
会社は永くは続かないと考えています。
人を育てる風土のある会社が、そして愛社精神のある
人が多い会社が、どんな時代においても生き残って
行けるのではないかと思います。

ですから課長たちが今、直面している悩みは、ナオミが
次のステップに行くために必要なことだと思っています。

それから、もうひとつ思うことなんですが、
新しく入った人たちが、成長していくためには
課長の頑張りも大事ですが、教えてもらう側も本気で
なければうまく行きません。

お互いが、組織のために役に立つ人間になるという
目的に向かって、諦めずに頑張ったときに初めて、
良い結果が出るのだと思います。

教えてもらう側の人は、入社してしばらくは、たいてい
自分がどう見られているのか、ばかりに意識が行きます。
または、自分にとって不利にならないような行動を
取りがちです。

例えば、分かってないのに分かりましたと言う。
適当にその場その場で合わせるので、言うことがブレる。
自分に非があるのに、モノや、他人のせいにするなど。

自分に焦点を合わせるのではなく、ナオミを背負う一員として、
行動や発言に問題がないかと意識できるようになるには、
何度も先輩社員に注意され、叱られることを繰り返すことになります。

その間、新しく入った人は、自分が一人前になるのだろうかと
不安になり、課長、先輩社員もナオミビトとして、いつ一人前に
なってくれるのだろうかと同じく不安になる過程をたどります。

不安な中で、特に育てる側が、どれだけ全力で
向かい合えるかで結果が変わって来ます。

苦しんで育てた分、育てた人との絆が深まります。
そしてそれがチーム力をさらに強固にするのだと思います。

「あの時は、君を育てるのに本当に苦労したよ。
だけど君のおかげで私も成長しました。」と笑って言える日が
早く来るといいのになあと思います。

教育が始まったナオミ。
来年はそれが一番のテーマです。
課長や先輩社員の苦悩は続きますが、それによって
確実に成長してくれると期待しています。

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