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◆ナオミの充填物語 ビフォー・アフター◆ VOL.0133 2018年5月号
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「 共有、相談の大切さ 」
今回は、共有、相談の大切さを学んだお話です。
私は、相談をするという文化のない家庭で育ちました。
父や母の意志で、多くのことが決められていきました。
「どうしたい?」「どう思う?」など聞かれた記憶がありません。
そんな家庭でしたので、私や妹、弟も、父や母に
よっぽどのこと以外、相談をすることは、ほとんどありませんでした。
子どもが、どう考えているんだろうと気にする親でもなかったし、
私たち兄弟は、自分で勝手に決めて事後報告するとか、
何も言わずに事を進めていました。
ですので、それが私の中で、当たり前の価値観になっていきました。
それが問題になったのは、結婚後でした。
と言うのは、私が勝手になんでも決めてしまうので、
夫に「なぜ相談をしないのか」と何度も言われたのです。
でも私は、「なぜいちいち相談しなくてはいけないのだろう」と
不思議に思ってしまい、夫のその言葉に戸惑いました。
相談をする文化で育った夫には、私の行動が信じられなかったんだろうと思います。
私は、私で相談しない文化で育った環境が当たり前だと思っていたので、
夫の価値観を受け入れることが、なかなか出来ずにいました。
結局夫は、私がそんな思考の人間なんだと、時間とともに諦め、
慣れてしまったのだと思います。
昨年、仕事上でそんな私の価値観が非常に弊害になっていることに
気が付く出来事が起こりました。
気付くまでに私は、自分では、勝手にやっている意識が無く、
そして、そのことで周りが疲弊していることにも気が付かずにいました。
具体的に言うと、その時の私の周りでは、こんなことが起きていました。
突然、こうして欲しいと伝えるので、
周りの人が、なんとかするしかない状態になる。
予定をして段取りを考えていた人にとっては、大変だ。
自分だけ情報を知っていて、それをあらかじめ
伝えて共有することをしない。
そのことによって、周りの人が不要な時間を費やす。
周りの状況を読めないで、暴走してしまう。
私の立場に対しては、部下は言いたくても言えない状況にあり、
同時に、みんなは「社長はそういう性格だから仕方ない」と思っていたのでしょう。
私のような立場の人、上司、先輩が私のようなことをすると、
多くの場合、部下は言えません。
言うことを聞かないと、査定にも影響すると考えてしまいますので、
我慢するしかなくなります。
そうすると上司、先輩は、自分の勝手な行動にいつまで経っても
気が付かないまま同じことを繰り返し、どんどん周りが疲弊していきます。
私の場合は、ありがたいことに、部下たちが勇気を出して進言してくれました。
最初のころ、進言されても、
「そんなことを私はやっているのだろうか?」と腑に落ちませんでした。
ただ、度重なる進言によって、
「どうやら、そんなことをしてしまっているようだ」と
少し分かり始めました。
でも、本当に申し訳ないという気持ちには至りません。
そこまで振り回しているとは思えていないからです。
ある時、「いい加減にしてもらわないと限界です」と言われ、
ようやくことの重大性に気が付いたのでした。
人間は他人のことはよく見えても、自分のこととなると、
悲しいかな、全く見えていないことが往々にしてあります。
そのことがきっかけで、私は頭に染み込んでしまっている価値観に気付き、
部下とは「共有、相談」を意識して、勝手にやらない・決めない、
必ず連絡するという本当に初歩的なことを努力し、訓練をしています。
そもそもの私の特性も相まってか、そんな簡単にはいつもうまくできる訳ではない
のですが、やり続けるしかないと思っています。
その努力を部下たちが認めてくれて、
「社長の特性を考えると難しいことであるのは、分かっています。
でも、そうやって寄り添おうとしてくれたり、理解しようとしてくれたり
することがうれしいです。」
と受け止めてもらったことはありがたいなあと思います。
自分の価値観を変えることの難しさは、この件で嫌と言うほど思い知らされましたが、
部下たちが寄り添い続けてくれたことに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ひとりでは、とても乗り越えられなかったことでした。
部下たちとはその間バトルを繰り返しましたが、
私に何とか気付いてほしいと言う深い愛情を
根底に持っていてくれていたことに、しみじみかたじけなく思います。
今私は、注意を受けることもまだまだありますが、
以前の私とは違って、それを素直に聞けるようになりました。
そして部下たちと、ひとりの人間として、フラットに遠慮なく
言い合えるような関係性を築くことでき本当によかったと思います。
ミライを一緒に作る仲間が世代を越えて、ひとりの人間としての
付き合い方ができるようになれば、会社は大きく変化していくことを
この事を通して私は学びました。
それが、会社を永く繁栄させることに間違いなく繋がることに
なるのだと思います。
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