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◆ナオミの充填物語 ビフォー・アフター◆ VOL.0130 2018年2月号
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「 人を育てることで自分が成長する 」
新人教育は、仕事のスキルを教えることだと思いがちではないでしょうか。
しかし、本当に大事なのは、新人の心に火をつけることや、
覚悟を持たせることだと私は思っています。
そのためには、仕事の話ではなく、『どう生きるのか、どう働くのか』を、
上司や先輩が、じっくり時間を取って新人と話す必要があります。
それを惜しんでいては、良い結果は出ません。
なぜかというと、早く仕事を覚えさせることに必死になって、一番大事なことが
抜けてしまうからです。
まずは、信頼関係を作ること。
丁寧に向き合ってくれる上司や先輩なら、新人はこの先輩に
ついて行こうと思うのではないでしょうか。
多くの場合、思い通りに育たないのは、新人に問題があると判断してしまいますが、
私は、そうではないと考えています。
育てる人間のスキルが足りなかったり、自分の価値観を押しつけて
話をちゃんと聴くことをしなかったり、自由に言える空気感を作らなかったり…
本当の意味で、寄り添っていないからだと思います。
要するに、本音で話しても大丈夫と、新人が感じられるか
どうかだと思うのです。
信頼関係のないうちは、絶対に本音は言えません。
それを言ったらどうなってしまうかと思うと、怖くて言えないからです。
考えてみてほしいのです。
あなただったら、心を開きたくない上司や先輩は、
こんな人ではないですか?
信用されていないと感じる。
否定される。
ダメだと思われている。
注意だけされて、本当に何がダメなのかを語ってくれない。
逆に心を開こうと思える、上司や先輩は、
最終、守ってくれる。
話を聴いてくれる。
自分の価値観を押し付けない。
寄り添ってくれる。
その結果、部下はその上司や先輩に本心を話せるようになり、
この人のために、頑張りたいと思えるようになります。
大切なのは、『この人のために頑張りたい』と思う気持ちではないでしょうか。
相当な困難や理不尽なことがあっても、
それがあると、乗り越える力になります。
信頼できるこの人は、絶対に私を見離さない。
それが、人の心を動かし、覚悟を決める要因になるんだと思うのです。
上司、先輩は自分のことを棚に上げて、新人を責めるのではなく、
自分が至らない、足りていないと思う謙虚さが必要だと思います。
あいつはダメだと言ってしまうのは、自分が教育者として
まだまだ未熟だということを、自ら宣言することになりかねません。
新人教育は、自分の至らなさを知る絶好のチャンスです。
むしろ教える人間が、人として成長する時間です。
器用な新人は、あまり教えなくてもできてしまうので、
学びにはなりにくいです。
教える側が、楽をしてしまいます。
むしろ、ゆっくり進む新人の方が、頭を悩ませるので、
教える側が非常に学ぶことが多いです。
それが、大事なんですよね。
自分の価値観を変えないといけない。
教える側の人間性も問われる。
思い通りにならない相手を怒ってしまうのは簡単です。
自分の溜飲は下がるでしょう。
でも、相手は心を閉ざしてしまいます。
カッとなったときに、その人の真価が問われます。
一呼吸おいて、心を鎮め、なぜそうしたのかを
相手の立場に立って聴く。
思いも寄らない答えが、返ってくることがあります。
自分の思い込みで怒ってしまっていることが
結構あるのです。
本当は、ほとんどの場合、怒らなくていいのです。
怒るときは、自分の価値観と違っていることを認められず、
自分の予想どおり動いてくれなかったときです。
要するに、思い通りにならなかったからなのです。
自分の都合、好き嫌いで怒ってしまっているのです。
相手にも事情があると思えると、怒るのではなく、聴こうとします。
「きっと何か事情があったんだろうな」と気持ちを切り替える
ことができるようになると、自分も楽になります。
私は、子どもの不登校で、この訓練を相当しました。
そして、人は自分と同じように考えないものだと
思うようになりました。
だから、自分の都合で怒るということは、
ほとんどなくなってしまいました。
ただ、相手のことを考えて、今言っておかないと、この人のためにならないと
思ったときは、なぜなのかを分かるように伝えます。
自分の感情に任せたり、思いこみで、横暴に怒ったりすることは、
人として、やってはいけないことだと思っています。
あまりにも、子どもじみています。
諭す。
それがちゃんとした大人のあり方です。
根気、忍耐、諦めない気持ち、覚悟が必要です。
そんな上司、先輩がいる会社は間違いなく、お客様、取引先様
それ以外の方々からも指示され、繁栄していくと思います。
ナオミも今からです。
かく言う私も、まだまだ至らなくて、幹部と一緒に勉強し、
努力をしなければなりません。
やさしくて、あたたかな会社を作るために、このハードルを乗り越え、
新しく入って来た仲間たちが、この上司、先輩たちのために
働きたいと思ってもらえるような風土を作っていく覚悟です。
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