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◆ナオミの充填物語 ビフォー・アフター◆ VOL.0120 2017年2月号  
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 充填機のナオミ━━┛

「 子どもは本当に凄い! 」

最近、あるセミナーで、講師の方の子育て話を
聞いて、衝撃を受けたことがありました。

それは、こんな話でした。
息子さんが3歳くらいのときに、ミルクの入った
コップを持ってウロウロしていたら、つまずいてミルクを
こぼしてしまったそうです。

それで、講師の方が息子さんに、
「どうする?」と、静かに聴いたら
息子さんは、
「自分が、雑巾で拭く」と言ったので、
それを見守っていたそうです。

そして、息子さんが、きれいに拭いたあとに
「これからはどうする?」って聞いたそうです。
息子さんは、
「これからは、ちゃんと座って飲む」と言って、
そのあと、ウロウロすることはなかったそうです。

私はその話を聞いて、3歳の子どもに対する親の
質問が凄すぎると思いました。

私なら、まずこぼしたことを叱り、こぼした
ミルクを私が拭いて、終わりで
子どもに考えさせることは、しなかったと思います。

この話は、今の親が考えなければならないことを、
端的に教えてくれていると思いました。

大抵の親は、小さい子どもが自分で考えて行動できると
あまり思っていません。
けれども、子どもは小さくても、ちゃんと考えることができ、
凄い能力を持ち合わせていることを、私は最近
いろんな人の話を聞くたびに、
思うようになっています。

ある保育園の先生も、こんなことを言っていました。

新幹線の好きな2歳の子どもたちが、新幹線を見に行きたいと
言うので、連れて行くことになったそうです。

新幹線が見える場所までは、歩いたり、電車に乗ったり、
結構移動しないといけないのですが、その2歳の子どもたちは
目的地に向って弱音を吐くことなく歩き、付き添いの
先生の手を焼くこともなかったそうです。

「それは自分の意思で決めたことで、無理やり大人の
都合で連れていかれたことではないから、子どもたちは
2歳であってもできるんです。」と先生は話してくれました。

また、小学校の先生をしている息子の話にも、
驚くようなことがあります。
息子は、1年生を担当していて、その子どもたちの可能性は、
凄いものがあると言います。

息子のクラスの子どもたちは、1年生でありながら自習のとき
誰一人、騒ぐこともなく、自分がやらなければならない
ことをやっているそうです。

そこまでになるには、常に、考えさせる訓練をしていた
ようで、何か問題が起きたときに、叱ることはしないで
どうしたらいい?と聞き、自分たちで考えさせる
習慣を、つけさせたそうです。

「失敗してもいい。失敗はむしろいい。失敗するから、
分かることがたくさんある」

と言うことを、何度も言い続けたら、子どもたちは
お互いを責めることなく、認め合い助け合うことを
し始めたと言っていました。

3学期の今、息子が口を出さなくても、考える集団に
なってきたと聞きました。

小学校1年生の子どもたちが、そんなことができるように
なるとは本当に信じられないことだったと、息子は言います。

大人は、子どもの能力を侮っています。
子どもたちの誰もが、素晴らしい力と可能性を秘めていると
思います。

常に子どもに考えさせ、自分で責任を持たせることを根気よく、
繰り返しやり続けたなら、子どもたちは激変していくのでは
ないだろうかと思います。

自分の人生を、自分で選択する。

今、それができない若者がたくさんいます。
多くは、自分の考えや、気持ちを聞いてもらって
いないからなんだと思います。
だから、考えることを諦めていくのではないかと
思います。

言っても分かってもらえなかったり、価値観を押し付け
られたり、否定されたりする日常にあると、自分の
意見や考えを言っても、無駄だと思ってしまいますよね。

親や大人が、
「どうする?」「どうしたい?」「どう思う?」とまず
本人の気持ちや意思を傾聴し、一緒に考えようと言う
姿勢があれば、子どもはちゃんと認めてもらったという
気持ちで、納得もできます。

そして、前向きに行動ができると思うのです。

本当はこう思うのに・・・・。
本当はこうしたかったのに・・・。

そんな思いを飲み込んで、子どもは自分の気持ちに蓋を
して行き、考えない大人になっていく。

そして、社会に出れば、今の若者たちは
「考えることができない!」と言われる。
でも、考える環境を与えてくれなかったのは大人 なんですよね。

この日本の教育のヒズミに、早く親が気づき、
子どもには、凄い能力があることを知り、
教育を変えていかなければ、日本は危ないなあと
思います。

まずは、親が子どもに、どうしたいかを聞き、
寄り添うことを始めることが、
変革の小さな第一歩だと思います。

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